「好き」を表現できますか? ~舞台ペルソナ3P3WMの事をちゃんと書きたい1~

工藤さん

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のリツイから知った菅 浩江先生のnote、「好き」を表現できますか?

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を読んで、そういえば好き好き言ってる割にちゃんと文章に残したことがない、というか、そういうのを残そうという方針でブログを書き直そうとしたのに結局書いていないな、と思ったのでこれを機に書いてみようと思います。

 

P3WMとは、正式名称が「 PERSONA3 THE WEIRD MASQUERADE」ゲームソフト、ペルソナ3の舞台化作品です。

2014年に1作目、そして最終章が2017年にあり、完結しました。全5作品です。

 

アニメ映画化、コミカライズの連載再開と時を同じくして進められたメディアミックスのうちの1作品で、他のメディアミックスも素晴らしかったのですが、私はこの舞台化された5作品がとても好きで、今なお燦然と輝き、私が色々な舞台に行くことになったきっかけの作品です。

私の中で、2.5舞台の最高峰だと思うと同時に、一人でも多くの人に見てほしい作品です。

 

私は、元々ゲームをやっていて、その中に出てくる女性主人公(リメイク版で追加要素として足された)が好きでした。勿論男性主人公も好きでどちらのルートもプレイしていましたが、当然ながら、リメイクの追加要素なのでなかなか露出の機会はなく、それに関して寂しいなといつも思っておりました。

舞台化が発表され、男女の主人公両方が日替わりであると知り、たいそう喜びました。女性主人公久々のメディアミックスです。が、当時舞台になじみがなく、その時はそのままでした。

実際に私が観た(当時現地には行けず、ニコ生配信で観ました)のは第二弾からでしたが、結果的にそれは正解だったと思います。理由は後述します。

 

観た感想としてはゲームのキャラクターが次元をまたいでそこに存在している。こちらの次元に来てくれたのだ、と思いました。

 

今となってはすっかりメジャーな2.5ですが、2015年にミュージカル刀剣乱舞なので、大ムーブメントになる少し前の段階でした(もちろん既に素晴らしい作品はたくさんありました)。

しかし、ゲーム中の待機ポーズ、戦闘終了モーションなどの再現などのこだわりが強く、3Dで実際に動いているタイプのゲームの舞台化だったのでよりその再現が際立っていました。後にカーテンコール恒例になるキャラクター立ち絵の再現をバックライトを照らすことでシルエットにする演出は、完全に原作そのもので鳥肌が立ちます。スクリーンに絵を映していると思ったらそれは実際に人であった時の衝撃は未だに忘れられません。

この演出手法に関しては、第二作目から代わられたキムラ真さんの演出からです。

キムラさんの演出がかなり自分の好みであることが後に分かってくるので、私は最初に見たのが第二弾でよかったと思っております。

また、CGと人を合わせて戦闘を行う試み、前スクリーンに映像を映す演出など当時最先端の技術をもって、存在しない「ペルソナ」という守護霊のようなキャラクターや魔法の特殊効果が観れたのも、ならではだったと思います。

 

そして、それらはしっかりとした演劇手法をもって、説得力を持ってそこにありました。そこに、舞台でやる意味が詰まっておりました。

P3WMには、パフォーマーとして、いいむろなおきさんというマイムパフォーマーの方が参加してらっしゃいます。

演劇に明るい方なら、京都のノンバーバル演劇の「ギア」のマイムに出てらっしゃる方、といえば、どのくらいすごい方なのか分かるのではないでしょうか。

その方がマイム指導をしてくださっており、しばしば、マイムによる演技がはいります。演者の方たちは、マイム、殺陣(縦も大岩さんという殺陣指導の方がいらっしゃいます)、歌などをハイクオリティにこなし、演劇としても高い水準のものになっております。

それはどういうことかと言うと、我に返らず作品に没頭できるということです。

P3WMには「○○だけど…」のような「だけど」の部分がないです。歌に関してもみんな上手くて引っかかりがない。楽曲も素晴らしいのですがそれはまた今度…。

そしてそれを実現させたのは、演者さん、スタッフさんたちの高いプロ意識とペルソナ3に対する愛だと思います。

どの舞台でもそうだと思いますが、自分が好きな作品を、作る側の人が好きだと思って作ってくださることほど幸せなことはないと思います。そして、それを自己満足にせずに、ちゃんと作品として昇華したものを私たち観客に向けて、観客のために作られたのだということが伝わる素晴らしい作品でした。

自分が初めて観た2.5舞台がP3WMで本当に良かったと思っております。

 

P3WMはDVDに関しては、在庫が存在しない状態なのですが、現在、シアターコンプレックスの月額観放題(税込み770円/2021年2月5日現在)か、個別課金税込み1650円(2021年2月5日現在)で視聴可能です。

theater-complex.jp

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おすすめは、月額会員で第二弾を観て、いいなと思ったら第一弾から観るのがいいかなと。理由は、第二弾で出演するキャラクターがほぼ全員お目見えするからです(第一弾は後半加入のメンバーが揃っていないため)。演者さんたちも本当にすごいし、絆の話を書きたくて仕方ないのですがそれこそ長くなるので次回にします。

観ていて損は絶対ないと思うので是非に。男性主人公は蒼井翔太さん、女性主人公は阿澄佳奈さんが演じられております。

 

というわけでパート1でした。今回ははじめましての人に当てて語るなら…って話なので。以上。P3WMが好き、という話でした。